ICPC ボランティアスタッフの仕事内容の話

前書き

これは Competitive Programming (1) Advent Calendar 2018 13日目の記事です。

つい先日、ICPCのアジア予選が横浜で行われました。

本当に沢山のボランティアスタッフの方の支援で成り立っている大会ですが、実際にどんなことしてるの?みたいな話ってあまり外に出ていない気するので、大雑把にまとめてみようかなと思います。

ボランティアの仕事の分類

ボランティアの内容を大まかに分けると以下のようになるかと思います。

  • 大会環境構築作業
  • 選手受付、誘導等の対応
  • 競技中の選手からの質問に対する対応
  • 風船、印刷物の配布
  • 中継コンテンツ(問題解説)の作成、出演
  • 撤収作業

各内容の説明

大会環境構築作業

どこまでボランティアスタッフで対応するかは、年によって大きく差がありますが、競技建物内の飾り付けや、机や椅子などの設置、競技インフラ(PCやネットワーク)の設置、選手への配布物の配布等が仕事内容になります。

飾り付けなどは選手に邪魔にならないようにする必要がありますし、インフラの設置に関しては、線を足に引っかけないように養生したり、選手であった経験が細かい作業にとても大きく効いてくるように感じています。また、選手PCにログインする為のパスワードや問題等、とても機密性の高い内容を扱うこともありますので、大切な仕事です。

選手受付、誘導等の対応

選手がやってきた後の受付・クローク対応や会場内外の誘導を行います。アジア予選における公用語は英語のため、対応は全て英語になります。後輩や知人が出場していると、つい話しかけたくなりますが、グッとこらえて、心の中で応援します。(最後の懇親会では大いに話します。)

地味に専門的なのが、入場時におけるチェックです。ICPCは電子機器の持ち込みは禁止されているので、それを持っていないことを確認したりします。なお、日本ではぬいぐるみの持ち込みは禁止されていません。机の端っこにぬいぐるみを置いて戦う姿は、日本の名物となっています。かなり可愛くて、僕は好きな文化です。

競技中の選手からの質問に対する対応

競技中、会場内を見回って選手からの質問に答えます。PCが動かない等、何が起こるかわからないのでとても対応力が求められる役割ですが、基本的にシニアスタッフへのエスカレーション体制がしっかりしているので、対応が分からなければ、更に上の人に聞くことができます。選手から見ると、大会のクオリティを見定められる要素の一つになるので、とてもとても大切な仕事です。

選手むけの対応はもちろん英語です。ですが、エスカレーションするときは流石に日本語で大丈夫です。スタッフ同士が日本語で会話することは禁止されていません。もちろん英語で喋っても構いません。

風船、印刷物の配布

ボランティアスタッフの花形仕事の一つではないでしょうか。ICPCでは、問題に正解すると、それに対応する色の風船が配られます。また、プリンターは共用なので、選手が印刷したものを、そのチームに配布する必要があります。その両方を対応する仕事です。

風船配布の指示はプリンター経由でくるので、印刷物と配布指示が混ざりながらプリンターから出力されます。それを間違えないように、正確に配る必要があります。特に印刷物は、大抵選手のソースコードが印刷されているため、ほぼ解答そのままになります。誤って配ると大変なことになるので、誤配布をなくす為に、様々な工夫をしています。机にIDをつけたり、プリンターから出てくる紙を整理する係を設けたりしています。

中継コンテンツ(問題解説)の作成、出演

近年、大会をネットで中継しています。その中で、大会の様子を解説したり、公開された問題をその場で解いて、解説するような営みをしています。その対応です。動画でICPCを世の中に伝える、重要な仕事になります。コーチやスポンサーの控え室にも流されることが多いです。

問題を裏側で必死に解いている様子を見ていると、現役選手に負けないくらい熱気に溢れている仕事です。知識量も要求される為、とても大変ですが、毎回とても素晴らしい中継が行われています。

撤収作業

そのままです。ひたすら片付けます。PCやケーブルを閉まって、飾り付けを撤去します。この作業は、大抵閉会式などと並行して行われています。テキパキ終わらせて、閉会式見に行く、というのが、毎年の目標になっています。(片付けるのは早いので、大抵見に行くことが可能です。)

まとめ

なんか中身忘れてないよな…いかがだったでしょうか。沢山の作業をボランティアスタッフの方々が担って、ICPCという大会は成立しています。僕はこの作業を通して、多くのJAGスタッフと触れ合うことができるので、とても好きな営みです。選手の方々が快適に大会を楽しめるように、また、ボランティアスタッフの方々と共に大会を楽しめるように、僕も頑張っていきたいと思います。来年以降も大会にいると思いますので、お会いした際には是非とも一緒に頑張りましょう。